足跡のない殺人
密室殺人の1ジャンルといえる。
雪・砂浜などを舞台とし、「被害者の足跡しか残っていない」殺人状況が生じる。
犯人はどうやって足跡を残さずに逃げたのか?という点が不可能興味をそそる。
その歴史は古く、モーリス・ルブランの短編集『八点鐘』(1923)が有名。

赤かぶ検事

和久駿三の傑作シリーズの主人公。
法廷闘争を扱ったものであるが、
毎回趣向を凝らしたトリックとナイスな脇キャラが楽しい。
故フランキー堺扮するドラマシリーズで、お茶の間の人気も高い、
今や国民的探偵の一人である。
・・・はずなのに、なぜか名探偵を語った本やスレでは
ほとんど相手にされないのが不思議である。

<註>
現在のドラマでは橋爪功が赤かぶ役。
娘は高田麻由子だが、かつての美保純人気もいまだ高いらしい。
親父たちの好みはわたしにはサパーリわからん。


綾辻行人
自由人。
または過去の業績にあぐらをかいている人間やそんな状態のこと。

アリバイ
その時刻、その場所にいなかったことの証明。現場不在証明。
家に宅配便が来たとか、遠く離れた飲み屋で札ビラきっていたとか。
あまりに堅固だと捜査側を発奮させてしまい、結果的に裏目にでることも多い。

暗号

一定の規則に従って文章・数などを他の表現に変えて、その規則を知らない人には
元が何かは判らなくするためのもの。

大きく分けると
・換字系:他の文字や記号・図に置き換える暗号
・転置系:読む順番を変えるタイプの暗号
・混合:換字と転置をする暗号
・その他:上記以外の暗号

これまでミステリに使用されたものとして
・サイファ(一つの語を一つの語・記号・絵に変える)
・アナグラム(文字の入れ替え)
・編と旁を別々に読む
・2語置きによむ
・決められた本の決められたページにおいて上下段や行数で作る
・対応させるするとと点字として読める
・書き手と読み手が違う言語を用いて暗号に取り組んだために読み違い
などがある。


アンチ
ファンよりもスレに留まる比率が多い事が多々ある。
わざわざ本を買って貴重なお金を無駄にする。
コテハンのアンチは叩かれ確率高し。
補足。しばしば、ファンよりもその作品、作家について詳しかったりする。

アンチVSメタミステリー

アンチミステリー・・・中井英夫に帰される用語。
主題と形式双方に関してミステリーの意味を否定しようとするミステリー。
自然メタミステリー(後述)と類似した構造を有するが、
先鋭的かつ自滅的な否定的意志に貫かれていて、それがすばらしい。
ガイシュツの「三大奇書」はその典型であろう。

メタミステリー・・ミステリー形式を批判的に再検討するミステリー。
前者をからかったり、批判したり、修正したりする。
しかし、結局はミステリーという形式およびそれを紡ぎ出す作家の自明性
については不問とするため、小手先の技法に堕することがある。

註 竹本健治はこれらの実験の狭間でうんざりしたらしく
ウンチミステリーというものを開拓したが、読者は誰も笑おうとしなかった。

<1>
 というとメタミステリについて否定的すぎるような。
<2>

 >小手先の技法に堕することがある。
 というか意識的に形式化したものは皆「メタ」で、
 その中でメタ構造を壊すように導いてやったものが特に「アンチ」
 だと俺は思うですよ。


アンフェア
地の文に虚偽の記述をするなど、ミステリーの「お約束」を無視する行為の事。
ミステリーを筆者と読者の知恵比べの勝負として捉えた場合、
ルールを無視するのはフェアプレー精神に反する、という程度の意味だろう。
どこまでがトリッキーな手法として容認され、どこからがアンフェアかという問題は昔から議論が尽きない。
ひとつの基準としてノックスの十戒に反しているか否かがあるが、これも絶対ではない。

アンボイナ
通称イモガイ。
殻長 6〜10cm、特徴は魚食性で被害例も多く、危険である。
刺症は患部の痛みのほか、神経毒であることから、
20〜30分後に体の自由が奪われ、呼吸困難、血圧降下、全身麻痺など、死亡する例もある。
船戸与一氏お気に入りの殺害毒。死亡後体内から検出されることなく、
心筋梗塞等の診断をされるとあるが、事実は不詳。

安楽椅子探偵

1)
アームチェア・ディテクティブとも言う。
現場に赴かずとも、人から伝え聞いた話などだけで
事件を解決してしまう探偵のこと。

アームチェアは「肘掛椅子」なのに
なぜか「安楽椅子」。

2)
関西地方の年一回のお楽しみ。
一度全国ネットで・・・
問題編直後からの予想と、
解答編放送後の罵倒が名物


意外な落とし穴

ミシシッピー殺人事件に出てくる落とし穴のこと

まさに、意外
知らなければ落ちるに決まってる
しかもゲーム・オーバー


遺伝子指紋
要するに「ちん紋」「ぽこ紋」の事である。

・・・・・・なにを語ってもネタバレになるような気がする古典的なトリック装置。
現代では死滅したと思いきや、金田一君やコナンタンで生きながらえているトリック界の長老。

縊死と絞殺(絞死)

縊死と絞殺(絞死)は全然ちがうよ。
どちらも首が締まって窒息するわけだけど、縊死の場合は椎骨動脈が
締まるのに対して、絞死では締まらない。なので縊死では首が締まる
と同時に頭部への血液循環が遮断される一方、絞死では椎骨動脈を
通して頭部へ血液が流れ、しかし頭部から体への血流は遮断されて
いるために循環できずに溜まる一方で、顔面が鬱血する。
定型的縊死=顔面の鬱血や溢血点はほとんどみられない(例外あり)
絞死=顔面鬱血。まぶたの裏などに点状の小さな出血(溢血点)あり。

それから、ひもとかロープの痕跡(索痕)が首に対してどのような角度で
ついているかも違ってくる。絞殺の場合、さらに索痕の周囲に被害者が
苦し紛れにつけた爪あとなど(いわゆる吉川線)も見られる。

<補足>
首の締め方によって縊死・絞殺が決まるのですか?
こういう風にしめれば縊死、こういう風にしめれば絞殺、というよう
になってるのかな?

1)
俺の理解している所だと
気管が締まれば絞死
動脈が締まれば縊死
で、自分でちょっと試してみれ
大蜻フ、あごの下に沿った感じで後ろ上方から絞めると動脈だけ締まるから
可能なのは、柔道風に襟を利用して絞めるか、裸締めは手を動脈に当てるんだっけ?

2)
縊死=頚部を索状物に通し“自分の体重”で頚部を圧迫する。(たいがい自殺)
絞死=頚部に索状物を巻きつけて圧迫する。(たいがい他殺)
扼死=頚部を手や腕などで直接圧迫する。(ほぼ間違いなく他殺)

3)
縊死と絞死では死体の外部所見などが大きく違っている
(もちろん内部も)ので、絞殺したあとに首吊り自殺に偽装しても大抵ばれます。
逆に言えば、不自然な痕跡を残さずに縊死させられれば……


腕時計
何処に行ったら売っているのだろうか?
竜頭を引っ張ると、ピアノ線が出てくる腕時計。

ヴァンダインの探偵小説作法20則

1.謎を解くにあたって,読者は探偵と平等の機会を持たなければならない。全ての手がかりは明白に記述されていなければならない。

2.犯人が探偵自身に対して当然用いるもの以外のペテン,あるいはごまかしを,故意に読者に対して弄んではならない。

3.物語に恋愛的な興味を添えてはならない。恋愛を導入することは,純粋に知的な実験を,
筋違いな情緒によって混乱させる。当面の課題は犯人を正義の庭に引き出すことであり,恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことは出来ない。

4.探偵自身,あるいは捜査当局の一員が犯人に豹変してはならない。これは厚顔な詐術であり,
ぴかぴかの一セント銅貨を五ドル金貨だと称して人に与えるのと同然である。

5.犯人は理論的な推理によって決定されなければならない。偶然とか暗合とか,無動機の自供によって決定されてはならない。(以下略)

6.推理小説には,その中に,探偵が登場しなくてはならない。そして,探偵は探偵しなくては探偵とは言えない。その任務は手がかりを集めて,
それによって最後に,第一章で悪行を働いた人物を突き止めることにある。(以下略)

7.推理小説には死体が絶対に必要である。死体がよく死んでおればおるだけいい。殺人以下の小犯罪では不十分だろう。(以下略)

8.犯罪の謎は厳密に,自然な方法で解決されなければならない。真相を知るのに瓦占い,コックリさん,読心術,降霊術,水晶占い等々の方法を用いるのは禁忌である。(以下略)

9.探偵は一人だけ――つまり,推理の主人公は一人だけでなくてはならない。一つの問題を扱うのに,三人四人の探偵,
時としては探偵の集団の頭脳をもってくるのは興味を分散させ,論理の直截の脈絡を断ち切るばかりでなく,発端からして,自分の頭脳を探偵のそれと取り組ませて,
知能的闘いをする心構えの読者に,不当な利益を与えることになる。(以下略)

10.犯人だと判明する人物は,物語の中で大なり小なり重要な役割を演じた人物でなくてはならない。

11.作者は使用人――執事,馬丁,部屋男,猟番,料理人等々のごとき――を犯人として選んではならない。
それは崇高な問題の論点をごまかすことである。(中略) 犯罪が召使い風情の下劣な仕事であれば,
作者は,それを記憶に留めるために,本の形にまでする必要はないからである。

12.いかに多くの殺人が犯されるにしても,犯人は只一人でなくてはならない。
もちろん,人は端役の協力者又は共犯者を持っても良い。しかし全責任は一人の人物の双肩にかからねばならない。(以下略)

13.秘密結社,カモラ党,マフィア党等々は推理小説に持ち込んではならない。(以下略)

14.殺人の方法とそれを探偵する手段は,合理的で科学的でなくてはならない。
(中略)また作者の想像の中でのみ総菜する珍奇で,未知の毒物を服用させてはならない。
推理小説の作者は,毒物学的に言えば,薬局方の範囲内にとどまらなくてはならない。(以下略)

15.問題の真相は,終始一貫して明白でなくてはならぬ。(以下略)

16.推理小説には,長たらしい説明の章節,脇道にそれた問題についての文学的饒舌,精緻を極めた性格分析,「雰囲気」の過重視があってはならない。
そのような事柄は,犯罪の記録と推理では重要な地位を占めていない。(以下略)

17.職業的犯罪者に,推理小説中の犯罪の責任を負わせてはならない。押し入りや山賊による犯罪は警察の領分であり,
推理小説の作者は明敏な素人探偵の扱う分野ではない。(以下略)

18.推理小説中の犯罪は,おしまいになって,事故死とか,自殺になってはならない。(以下略)

19.推理小説におけるすべての犯罪の動機は,個人的なものでなくてはならない。(以下略)

20.そして私は,自尊心のある推理小説作家なら誰しも今では使うことに潔しとしないいくつかの手法リストを,ここに掲げる。
(中略)それを使うことは作者の無能と独創性の欠如を告白するものである。
   イ.犯罪の現場に遺棄されていたシガレットの吸いさしと,容疑者のふかしている銘柄を比較して,犯人の正体を決定すること。
   ロ.えせ降霊術で犯人を脅し,自供させること。
    ハ.偽の指紋。
    ニ.替え玉によるアリバイ。
   ホ.犬が吠えないので,侵入者が馴染みの者だと解る。
   ヘ.双生児とか,嫌疑は掛けられているが無実な人物と瓜二つの近親者を最後に犯人として取り押さえる。
    ト.皮下注射器や即死をもたらす毒薬。
   チ.警官が現場に踏み込んだ後での殺人。
   リ.言葉の連鎖反応実験による犯人の指摘。
   ヌ.最後になって探偵が解読する文字,又は数字による暗号。


海野十三
うんの・じゅうざ 1897生−1949没 本名佐野昌一。
逓信省電気試験所に勤める傍ら、小説や随筆を書き、1928年「新青年>>250」に
『電気風呂の怪死事件』を発表し、探偵小説界にデビューする。
「日本SF」の元祖としても知られる。一部では「バカミスの父」とも呼ばれる。
筆名の由来は、麻雀が大好きで(「麻雀の遊び方」という入門書まで書いている)
麻雀で運と実力の割合を問われたときに「運の十さ」と答えたからだと言われているが、
由来を尋ねられる度に新説を披露していたという話もあるのであまり当てにはならない。
ジュウザ、ジュウゾウ、二通りの読み方が流布している。
丘丘十郎(おか・きゅうじゅうろう)の別名でも活躍。本名では電気関係の解説書を執筆。

映画化

クリスティやクイーンは映画化に積極的だったという。
しかし、犯人や事件の真相を映像によって隠蔽する作業は
きわめて難しく、映画製作者の気合いにかなり左右される。
まして叙述トリック作品は高いハードルだ。

成功例 「配達されない三通の手紙」・・クイーンを日本で再現する度胸。
成功例 「そして誰もいなくなった」・・クリスティ自身の気合いの入った脚本。

失敗例 「不連続殺人事件」・・出演者の内田裕也の滑舌がわるく聞き取りにくかった。


エルキュール・ポワロ

Hercule Poirot
創元推理文庫では「ポワロ」

英国の女流作家アガサ・クリスティ作『アクロイド殺し』でデビュー。
ベルギー人で元警官。退職後はロンドンで私立探偵となる。
『灰色の脳細胞』の持ち主で小男。
いつも少し片方へ傾けている卵型の頭、興奮してくると緑色に輝いてくる眼、
軍人のようにぴんと立った口髭を蓄えている。
友人で退役軍人のヘイスティングスを「モナミ(我が友)」と呼ぶ。

代表作は『オリエント急行殺人事件』など

デビュー作は『スタイルズ荘の殺人』では?


演繹法・帰納法

1)
演繹法・・・小○家の人間はバカであらねばならない→よって小○首相はバカである

帰納法・・・小○首相と会話をしたらバカだと分かった。○太郎と討論したらバカ丸出しの議論だった。
      他の家族もバカだと知った
      →よって、小○家の人間は皆バカである

2)
演繹法
一般的な原理から論理的な手続きを踏んで個々の事実を推論すること        
真理(法則)――→ ☆(具体例)

帰納法
ここの特殊な事例から一般的原理や法則を導き出すこと
☆☆☆☆
☆☆☆☆ ――→  真理(法則)
(具体例)

例)1吹雪の山荘では外部者はとても立ち寄れない→山荘の中の誰かが犯人だ(演繹法)

2孤島の島で外部者を探したがいない。
 隠し部屋も見つからない        →我々の中に犯人がいる(帰納法)
 誰も島に我々以外立ち寄った形跡がない


黄金期

ミステリにおいては1920〜30年代の英米をさす言葉として使われることが多い。
英米黄金期はE・C・ベントリーの『トレント最後の事件』(1913)で幕を開けた
というのが定説である。
1947年の段階で江戸川が選出した黄金時代ベスト10(『幻影城』所収)の
ラインナップは以下のとおりである。
 1位 『赤毛のレドメイン家』(1922)E・フィルポッツ
 2位 『黄色い部屋の謎』(1907)G・ルルー
 3位 『僧正殺人事件』(1929)S・S・ヴァン・ダイン
 4位 『Yの悲劇』(1932)E・クイーン
 5位 『トレント最後の事件』(1913)E・C・ベントリー
 6位 『アクロイド殺害事件』(1926)A・クリスティ
 7位 『帽子収集狂事件』(1933)J・D・カー
 8位 『赤い館の秘密』(1922)A・A・ミルン
 9位 『樽』(1920)F・W・クロフツ
 10位 『ナイン・テイラーズ』(1934)D・L・セイヤーズ

黄金期前期の蓄積を背景として、ヴァン・ダインの「探偵小説作法二十則」や
R・A・ノックス「探偵小説十戒」が起草され、フェアプレイ、ゲーム性、
論理性というトピックスが抽出される。


オランウータン

ショウジョウ科

分布
東南アジアのボルネオ島、
スマトラ島
(パリ)

オランウータンとはマレー語で「森の人」の意味。ボルネオ島とスマトラ島に 生息する。
妊娠期間は264日で類人猿中最も長く、授乳期間は約4年。
ほぼ完全な 樹上性でドリアン、マンゴーなどの果実を好むが、葉、樹皮、昆虫なども食べる。
雌雄とも単独で生活しており高い木の枝に1頭ずつ巣を作る。生息密度には0.1〜5頭/ 平方キロメートルと地域によって大きな違いがある。
30000〜50000頭の生存が 見込まれているが、近年の熱帯林の伐採により急速に生息数を減少させている。
もしかすると煙突から入ってきて殺人を犯すかもしれないので、ペットにする場合は十分に注意が必要。


オルレアン
ユダヤ人経営のブティックの試着室で試着中の女性が麻酔注射を打たれ、
地下室に運ばれ、深夜に外国の売春街へ売り出されるとの噂。
人集差別のニュアンスを含んだ全くのデマであるが、これがさらに
流布され枝葉が付き、誘拐された女はモロッコで手足を切断され、
見世物にされている・・・とまで、改竄された会話が今も、インドを旅行する
日本人旅行者の間で交わされているという。

オマージュ

フランス語で尊敬の意味。

要するに、パクること。
追求されたときには「オマージュです。」といえばイイと思ってる奴が多い。

同意語として、リスペクトという場合もある。

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