最悪の毒薬

無味無臭無色で、死後の検死によって発見することが不可能、しかも致死性が高いという毒薬。
もちろん現実にはこんな物は存在しないが、昔からミステリ作家やファンの間では「いつか発見
されるのではないか」「某研究所がそれに近いものを発明した」といった噂が流れたことがあった。
捜査技術の進歩とは逆の意味で、科学がミステリを脅かした実例とも言えるかもしれない。

なお、初期のミステリには「東洋渡りの謎の毒物」としてこうした毒薬が登場している作品が
存在する。
ノックスの十戒でシナ人(中国人〕が禁止されたのには、これも原因の一つとしてあったのかもしれない。


サウンドノベル
小説 (テキスト) に絵や効果音、音楽等をプラスして臨場感を出し、さらに主人公
の行動を選択肢で決定することで,さまざまな展開を楽しめるゲームジャンルを指す。
このジャンルの生みの親である(株)チュンソフトが1992年に江戸川乱歩賞作家
長坂秀佳を原作・脚本・監修に起用したスーパーファミコン用ソフト「弟切草」が
話題を呼び、以後もチュンソフト三部作「弟切草」「かまいたちの夜」「街」や
他社作品(赤川次郎原作・監修作品他)など発売され家庭用ゲームの一ジャンルと
して地位を固める。

さて、皆さん

古典本格ミステリーで、名探偵が謎解きを開始する際に発する言葉。
なお、このときには犯人を含む全ての主要な登場人物(殺害された
者を除く)が一堂に会していることがほとんどである。

<川柳>
名探偵 みなを集めて さてと言い


三大奇書

日本の本格探偵小説史上、
結果としてターニングポイントとなった
夢野久作「ドグラマグラ」
小栗虫太郎「黒死館殺人事件」
中井英夫「虚無への供物」     のこと
埴谷雄高氏らはこれに、
久生十蘭などの異色作家を含めて、「黒い水脈」とも読んだ。
また、竹本建治「匣の中の失楽」を含めて「四大奇書」と呼ぶ人もいる。

<註> 
奇書の奇は、奇妙だとか、怖いとか、珍しい、という意味に近い。
「新本陣殺人事件」のような駄書とは一切関係ない。


三人称単視点・三人称多視点
三人称の中に三人称単視点(一視点)、三人称多視点が含まれるのではないでしょうか。

鹿爪らしい顔

御手洗が良くやっている顔。

<具体例>
http://www.asahi-net.or.jp/~cw6h-otk/easyball.gif
http://www.asahi-net.or.jp/~cw6h-otk/urasugao.html


時効
犯罪を犯して、捕まらずに逃げ回るのはかなり精神的につらいだろうし、
そのつらさで十分反省するだろうと思うので許してやりましょうという制度。

時刻表トリック

アリバイトリックのひとつ。というより、アリバイトリックの代名詞といっていいかもしれない。
交通機関をうまく利用して、犯行現場と別の場所の移動時間を常識的に考えられる移動時間より短くすることで、
犯行時刻に犯行現場にいることができなかったと思わせるもの。

<裏>
もっともらしく時刻表がでてきても、実際は交通機関を利用せずに時間を短縮したりすることもままあるので、だまされてはいけない。


死後硬直・弛緩
ATPの欠乏による筋肉の硬直と軟化の現象。死後2時間で硬直が始まる。
体の上方から下方へと進行していくのが普通で、具体的に言えば頭→上半身→下半身の順。
顎、腕、肢を観察すれば判別しやすいと言われている。
ちなみに弛緩も同様の順番で行われる。死後6時間から8時間程度で全身が硬直し、
10時間から12時間で最強の状態(硬度が最高)となり、48時間で弛緩が開始する。弛緩は1日以上かけてゆっくりと行われる。
ただ、これには例外があって、死亡直前に激しい運動などをして筋肉が疲労していると死後硬直が急激に進む。
よく例として用いられるのが弁慶の立ち往生である。絞死や溺死の場合も痙攣による筋肉疲労が伴うので、
硬直が早く進むことが多い。
また、死後硬直は外気温にも影響を受け、高温下では硬直・弛緩が早く進む。もちろんその逆もありえる。

ジサクジエーン
一人二役トリックとも呼ばれ、1人の人物が複数の人間として振る舞うこと。
一人三役という例も存在する。
逆に、複数名が1人の人物であると偽装するトリックもあり、
これは一般に”騙り”とも呼ばれる。

自称ミステリ通
「ミステリ的には」を多用する人。

死体

多くの推理小説で、これを発見することにより事件が明るみに出る端緒となる。
バラバラであったり、首がなかったり、顔の判別がつかないほど崩れていたりと
その一部が欠損している場合がある。
また、吊されていたり麗々しく飾られてある場合、移動の跡が見られる場合、
いったん発見された死体が消失してしまう場合などバリエーションは様々であるが、
なぜそのような状態で発見されたのかを作品内で明確にしておかないと、
駄作扱いされる一因となりかねない。

<補足>
「じつは死んでいなかった」というケースがある。(特にクローズドサークル
読者自信も推理し、謎に挑戦する場合、死体がでてきたら要注意。
死体の描写、また死体を観察する人物の行動に注意して読むことが重要。
つまり、確実にそれが死体であることを確認すること。
書き手としては、駄作扱いになるかどうかの分岐点なので、表現に気を使うところ。


執事

最も胡散臭い人物。
絶対に犯人ではない人。または犯人であってはいけない人。
これを犯人しているものは駄作とされる。
戦前の作品には多かった。
アジア系であることが多い。
しかし、何らかの秘密は握っている。

よく見かける「羊バンター」とは無関係。


死斑
死後、血液は重力の影響を受けて低位へと移動していきます。
死体が仰向けであれば背面に、腹這いであれば前面に、首つりだったら手足に。
移動は毛細血管などを利用して行われますが、一定時間が過ぎると血管から染み出て組織を染めていきます。
外見からは斑模様が浮き出てきたように見えますが、その模様の広がり具合・色から死亡時期・死因を割り出すことができます。
死斑は死後20、30分から現れます。もともと血液ですから非常に流動的で、指などで死斑を圧迫すれば消えてしまいますし、
死体を動かせば死斑の位置が変わってしまいます。当初は斑状だった死斑も、死後2時間から3時間もすると模様が結合し始めます。
時間が経つにつれて死斑は消えにくくなり、死後7時間から10時間で死斑の移動はなくなります(色が薄くなることはあります)。
そして死後12時間で最強の状態となり、新たな死斑の出現がなくなります。
例外として死体が水中にあった場合は、頻繁に体位が変化するために死斑も弱く流動的です。窒息死の場合は通常よりも死斑が濃く出ます。
通常の死斑の色は、赤みを帯びた紫や黒みを帯びた紫ですが、死因・死体の保存状況によって変化します。
死因が凍死だったり、死体を冷蔵庫で保管していた場合の死斑の色は鮮赤色となります。一酸化炭素中毒の場合も鮮赤色で、死斑は早く現れます。
青酸化合物による中毒死の場合も鮮赤色で、硫化水素の場合は緑を帯びた褐色をしています。
死斑と混同しやすいのが皮下出血で、同様に皮膚の染色が起こります。ですが、すぐに組織を染めるので脱色できない点、
低位に出現するとは限らない点などから判別することが可能です。もっとも、解剖すれば容易に判るのですが。

死亡推定時刻

1) 
a 死体の状態を様々な医学的角度から調べて、割り出された時間のこと。
捜査関係者が判断することが多いため、信頼される反面、
(医者や検死官などの)自作自演である可能性もあり、予断を許さない。

b 作家によっては後になって唐突に「間違っていた」といわれるだけのこともあるので恐ろしい。

2)
死体が死亡直後の場合、個体は死んでも体組織細胞はすぐには死にません。
そのため、体に刺激を与えると反応を示す場合があります。これを生死中間反応といい、
その度合いを調べることでも死亡時間を推定できます。
a. 死後硬直・弛緩
b. 死斑
c. 角膜の濁り
d. 体温変化
e. 各所の粘膜の乾燥
f. その他: その時々の状況に応じて利用できる手段。例えば、死体が水中にあった場合、
   皮膚がふやけてしまうが、その進行具合など(水温に左右される)
3)
孤島で元医学生が詳しくはないのだがと言いながら正確に推定する被害者が殺された時間


社会派

1950年代後半、松本清張の登場を嚆矢として日本ミステリ界を席巻したムーブメント。
以後、綾辻行人をはじめとする新本格の台頭までの長期にわたり主流として君臨する。

それまでのミステリの多くが特定の一族や村を舞台にした財産問題・愛憎のもつれなどの「個人的」な事情を
題材としていたのに替わり、汚職事件や政財界の癒着・横領など所謂「社会的」な問題を背景として
起こる事件を多く描いた。事件の解決に尽力するのは概ね叩き上げの頑固中年警察官であり、
天才肌の名探偵が鮮やかに謎を解くのは子供の読み物、現実味の強い社会派推理は大人の読み物、という
風潮すら生まれた。現実味を重視するあまり、ありがちな「上司が愛人である部下に結婚を迫られて殺した」
系まで社会派のラベルを貼られて売られている。
森村誠一や夏樹静子などは、本格は売れないといわれた時代に、「社会派の皮を被った本格」と
後に評される作品をいくつか書いている。

現在では、宮部みゆきなど、特に汚職や政官財の問題だけでなく、現代社会の問題点や
暗部に一石を投じるような作風のミステリを社会派と呼ぶことが多い。

あくまで個人的な見解なのですが。
 社会派:捜査の過程が焦点
 本格 :論理の過程(飛躍を含む)が焦点
作風や作品によっていろいろ程度の問題はあると思いますが、ごく端的にはこんな感じかと。
器とか言い出すとややこしいので。


樹海

青々と茂った広大な森林の称

あなたが仕事や人間関係に疲れ、絶対に誰にも知られずにひっそりと自殺したいのなら、
迷わず樹海に踏み入ることをお薦めする。樹海ほど死体が見つからず、
なおかつ入り込みやすい自殺場所はまずない。(中略)
 もともと樹海は自殺の名所だったが、その名前が一躍有名になって、
1年に何十人もの自殺者が出るようになったのは、
樹海を舞台にした松本清張の小説『波の塔』がテレビドラマ化された1957年以降だ。
〜鶴見済著「完全自殺マニュアル」 より〜

『波の塔』はミステリではなく恋愛小説なのでsage


叙述トリック
作者自らが読者に仕掛けるトリック。
フェア、アンフェアで賛否が分かれる場合が多い。
また、多くの政治家も、叙述トリックの名手といえる。
(例)
「私は確かに言ったが、命令した覚えはありません。
それは相手が勝手に命令と受け取ったのです」

地雷

1、接近した人や車両を破壊するために地面に埋められた兵器。
コストの割には効果が高いが、紛争が終わっても殺傷力を
維持したままなので回収に苦労する。指向性のもある。

2、読んだ後触ったことさえ後悔する本。ミステリに留まらな
いが、ミステリの駄作を指すことが多い。

<参考例>
今日、ついに「コズミック」買っちゃいました。
ブックオフで700円でした。今から読んでみます。


屍蝋

蝋状に変化した死体がのこと。特有のいやな臭気がある。
屍脂、死蝋ともいう。生化学用語ではadipocere。
水分が多く空気の流通が悪い場所(水中や湿潤な土中)に置かれた死
体においては、腐敗が妨げられた状態で脂肪が分解して脂肪酸となり、
タンパク質の一部も細菌の作用などで脂肪酸に変化します。この脂肪
酸の一部ないし大部分(5〜97%)が水中のCaやMgと結合して鹸化すると、
屍蝋となる。なお金属石鹸となるので洗濯に使える石鹸ではない。
未完成の屍蝋は柔らかくチーズ状を呈し、完成したものは硬くて脆
く石膏様である。屍蝋の完成度と脂肪酸量・鹸化程度との間に相関関
係はない。
高温では屍蝋形成は早く、夏では2〜3週間で一部屍蝋化する。ふ
つうは水中死体で1〜2ヶ月、土中死体で数ヶ月たつと、皮下脂肪織
から屍蝋化がはじまる。全身が完全に屍蝋化するには水中死体なら半
年から一年、土中死体なら2〜3年程度かかる。
一般に太った人のほうが、また男性より女性のほうが屍蝋化しやす
い。体おそらくは脂肪率の問題かと思われます。

京極や横溝の作品でやけに連呼されることがあるが、
たいていトリックとはあまり関係がないので流してしまおう。


信者

何かを信じている人のこと。
ある作家のやることなすことはすべて肯定できる、羨ましい人々。
大別して、

1 どんなにトチ狂ってもなぜか離別できない詐欺師(例 島田某)
2 本来最低の性格なのにageたくなる変人(例 森某)
3 難解という評判でカルト化する作家(例 麻耶某)
4 午後12〜13時に「小鳥遊に萌えな人」をあげる奴(やめてください)。


新青年
博文館発行の震災前の大正九年から戦後の昭和二十五年もの長きに渡って君臨した探偵小説雑誌。
当初のコンセプトこそは、初期の目次を見ていただければ納得いくとおり、日本中の青年の志気を高めるものだったが、
その最初期から増刊号などにおいて、いち早く海外探偵小説の翻訳を我が国に紹介するなど、
その後年の探偵小説総本山時代の可能性の軌跡を既に最初期のころから見ることが出来る。
この探偵小説の道へのジワリとした変貌は初代編輯長だった森下雨村の最大功績であり、
江戸乱歩の颯爽とした登場も大いに関係している。乱歩の登場によって、急速なペースで日本人創作の本格的道が切りひらかれたからである。
むろん、誤解なきように記述しておくと、その乱歩の「二銭銅貨」以前にも日本人の創作は存在した。
例を挙げると、西田政治、横溝正史、水谷準などの処女作が新青年の創作募集で採用されているし、
同じ博文館の「新趣味」でも探偵小説の募集をしていたり、他に松本泰なども存在した。
しかしこの「新青年」及び「新趣味」の募集していたのは、探偵小説といっても、ほんの原稿用紙10枚程度の小品であり、
決して海外の翻訳探偵小説から主役を奪えるような代物ではあり得なかった。だが、大正十二年の乱歩の登場以後、
同年に「新趣味」でデビューした甲賀三郎、元来より探偵小説評論で成らしていた小酒井不木、他に大下宇陀児、城昌幸などに加え、
大正十五年の懸賞募集で秀作を手にデビューした夢野久作、山本禾太郎など大正期の内に随分日本人の探偵作家も随分増えることになり、
その動きは昭和になって加速したといって良い。葛山二郎、瀬下耽、海野十三、渡辺啓助、小栗虫太郎、大阪圭吉、木々高太郎、久生十蘭
などなど戦前の代表的探偵作家を次から次へと生み出し、そして育てることになったのである。
戦後は復活に手間取りすぎたために、その探偵小説誌界の王座を後塵の「宝石」に譲り淋しい退場劇となってしまった。

新本格

80年代後半より、講談社ノベルズを中心に登場した新人作家たちによるムーヴメントのこと。
87年に綾辻行人が『十角館の殺人』で登場したことを嚆矢とする。
#ちなみに「新本格」の名前が商業的に初めて用いられたのは同作家の『水車館の殺人』の背表紙から。
翌88年より、斉藤肇、歌野晶午、法月綸太郎、我孫子武丸、黒崎緑らが続々と登場。
さらに平行して東京創元社より折原一、山口雅也、有栖川有栖、北村薫らがデビューを飾った。

これらの作家のの傾向を一言で言い表すのは不可能であるが、無理に総括すれば、
「謎解きを最重要課題に置いたミステリーらしいミステリーの復権」を目指したと言えるだろうか。

70年代後半には竹本健治、笠井潔、島田荘司らが登場しているものの、
書店を制していたのは、社会派やトラベルミステリーの類であり、これら先輩たちも沈黙を余儀なくされていた。
こうした状況を打破したのが、新人作家たちの大量デビューであり、「新本格」は商業的なレッテルとして多大な効力を発揮した。
反面、こうした枠組みに入れられることを当の実作者たちは困惑をもって受け入れていたようである。

「新本格」は、95年以降、京極夏彦が、西澤保彦、森博嗣らの登場により、実質的な終焉を迎えた。
この世代交代に絶えられなかったのか、綾辻、法月、我孫子らは一様に寡作となっていった。

さらに現在においては、清涼院流水、乾くるみ、高田崇史、霧舎巧、殊能将之らの登場により、
「新本格」という言葉が体現していた理念や商業的パッケージは完全に解体してしまっている。

ちなみに「新本格」という言葉自体は、森村誠一がデビューした当時にも用いられており、決して新しい用語ではなかった。


硝煙反応
リボルバーやライフルなど、装薬銃が射撃の際に発する硝煙を検出する方法。撃った人に対して行われるテスト(銃口より後に対するテスト)として、
パラフィン・テストがある。
被験者の手などに溶かしたパラフィンをかけ、
固まったらはがしてジフェニルアミンに浸す。
硝煙に含まれる硝酸塩が付着していた場合、青紫色に変色する。
オートマチック式拳銃であればトリガーより上方に硝煙反応が出るが、
リボルバー式の場合、リボルバーから放射状に広がるため証拠隠滅にはご注意。
意外にも靴などを見落としがち。
しかし、ジフェニルアミンはおしっこにも反応するらしいので、
恥をかなぐり捨てれば言い逃れもできるかもしれない。

小説

(1)文学の一形式。散文体の文学で、一八世紀以後、近代市民社会の生活・道徳・思想を背景に完成した。作者が自由な方法とスタイルで、不特定多数の読者を対象に人間や社会を描く様式。〔坪内逍遥が「小説神髄」で novel の訳語として用いた〕
(2)もと中国で、日常の出来事に関する意見・主張。また、それを書いた文。

大辞林第二版より


新書

(1)新しく出版された本。新刊書。
(2)書物の形式の一。文庫より少し大きめの型で、軽い教養ものや小説などをおさめた叢書。

大辞林第二版より


叙情ミステリ
それはセンチメンタルなトリック

情状ミステリ
それは犯行に至った者の心中を酌量せざるを得ないトリック

猩々ミステリ
それはモルグ(ry

死因

現行の死亡診断書(死体検案書)の書式では、次の12に分類される。

1.病死および自然死・・・外力や毒物などの作用が考えられない場合。老衰を含む

<不慮の外因死>
2.交通事故
損傷は衝突損傷、転倒損傷、轢過損傷、轢圧損傷に大別され、損傷によって事故の様相が明らかになる場合もある。

3.転倒・転落
飛降り自殺は9の自殺。脳梗塞などで転倒し脳外傷で死亡した場合は原死因は脳梗塞なので1の病死。

4.溺死
空気の代わりに吸い込んだ水と、肺にあった空気・気管支粘膜などが肺の中で混合して白い泡沫ができ、溺死直後には気管内にあるが時間が経つと鼻・口から吹き出るようになる。しかしこの泡沫は肺水腫などでも起こりうるので要注意。体内の水を検査し、プランクトンを検出する方法が有力。

5.煙・火炎・火焔による障害
火事場の死体には気管内の煤の有無、心臓血の一酸化炭素ヘモグロビン量、生前に受けた傷の有無の検査が不可欠。

6.窒息
袋などをかぶった場合以外にも、地下工事現場や高山でも起こる。

7.中毒
薬毒物、菌による死。砒素・青酸・黄燐(殺鼠剤)などが多い。
青酸ソーダは長く空気中にあると炭酸ソーダに変質して、目的を達せられないことも。

8.その他
土砂崩れ・地震による家屋の倒壊で圧死、感電死、落雷など。

<不慮でない他因死>
9.自殺
縊頚(首吊り)に関して、紐が左右の耳の後ろ側を通り、全体重が加重する縊頸を定型的縊頚という。紐が左右の耳の後ろ側を圧迫していなければ、骨の中を通る椎骨動脈は閉鎖されないので、絞頚(首絞め)と同じように2〜3分間は意識を失わない。また、定型的縊頚では頭部への血液供給が遮断されるので、顔面にうっ血がくることは稀であり、非定型的縊頚では絞頚と同様にうっ血することが多い。

10.他殺
加害者がいること。過失も含む。絞頚では、紐が頚部に水平に掛かるので、椎骨動脈は閉鎖せずに頭部への血液供給が続き、絞められて2〜3分は意識があり、首締めを防いだり加害者に損傷を与えたりすることもある。

11.その他・不詳の外因
死刑による死、戦争による死など。2〜10の区別が困難な場合もこれに。

12.不詳の死
死因が全くわからない白骨死体など。

文春新書「法医解剖」匂坂馨・著より


推理小説
1946年雄鳥社が「推理小説叢書」を発刊した時、監修者の木々高太郎が命名したもので、
犯罪事件、特に殺人事件の犯人、犯罪の方法、動機などにまつわる謎を論理的に推理、解明することに興味の重点がある小説。
謎の定義、論理によるなぞ解き→意外な解決を基本としている。
また、推理小説と犯罪小説を区別して、あらかじめ計画された巧妙な犯罪を読者に提示し、読者とその犯行方法、犯人などの事件の解決を競い合う読者参加の小説をいい、
江戸川乱歩は犯罪に関する難解な秘密の解かれていく経路の面白さこそ小説の主眼で、数式やパズルと通じるものがあるとしている。

スコットランドヤード
Scotland Yard.ロンドン警視庁(刑事捜査部)のこと。
その昔、ロンドンのスコットランドヤード街にあった為の通称

少し遅い朝食

時間にして朝10時過ぎの、場合によっては朝食兼昼食となることもある。

本格ミステリの場合、トーストにハムエッグ、それに紅茶もしくはコーヒーという
メニューになり、ほとんどの場合ご飯に味噌汁、焼き魚、納豆等の和食にはならない。
その原因は不解明。


ストゥール
背もたれの無いイス。なぜソファー等と書かないのか。
その原因は不解明。

ストリック
アクロイド殺害事件」などの、叙述上に仕掛けをして、ストーリーがトリック
となる作品群を総じて、推理作家の斎藤栄が名付けた名称。
だが、一文字かえるとトンでもないことになる上、当時は作品も少なかったために なじまず。今では叙述ミステリの名称が一般化したため、誰もこの名称を使う事 が無くなった。

<類似>
叙述メタミステリ

線条痕
拳銃で撃たれた弾丸には撃つときに痕が残る。
その痕は拳銃によって全て違うので、調べればどの拳銃から撃たれた物か判る。
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